東関東自動車道(東関道) 茨城県区間の事業評価と入札情報からの考察

2015/03/01 22:04

 いつもは圏央道の話題ですが,茨城県内には「東関東自動車道水戸線」という未開通な路線があるので今回はこちらを見ていきます。

 東関東自動車道水戸線は,東京都を起点とし,千葉県を経て茨城県に至る延長約140kmの高規格幹線道路です。
 茨城県内の区間は千葉県境から茨城町JCT間の約51㎞になります。このうち,開通済の区間は,千葉県堺~潮来ICと茨城町JCT~茨城空港北ICの約約11㎞になります。
 記事の中で地図が出てくるので,路線の位置等はそちらを参照してください。

 前回同様,国土交通省関東地方整備局のHPに掲載されている「事業評価監視委員会開催結果」からの考察になります。

■出典
「関東地方整備局事業評価監視委員会(平成25年度第4回)」(関東地方整備局)
http://www.ktr.mlit.go.jp/shihon/shihon00000102.html
このページで公開している「資料2−7−1(PDF)」を抜粋・加工して作成しています。
開催日が平成25年7月30日ということで,約1年半前のものになります。古くてすいません。以前書いた圏央道の再評価と同じ会議になります。


20150301a.jpg


20150301b.jpg

P2
 赤線部分が今回の対象としている,東関東自動車道水戸線になります。
 起点は潮来IC,終点は鉾田ICであり,約31㎞の区間になります。鉾田ICから茨城空港北IC間はNEXCO東日本の施工になります。
 こちらの区間は後述。

 潮来ICまでは昭和62年に開通していますが,それ以降約30年間延伸は有りませんでした。理由はいろいろとあるとは思いますが。。。

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P3
 事業の概要になります。
 4車線計画ですが,先行で暫定2車線として開通させるようです。よくあることですね。土工事と橋梁部の絵しかないので,トンネルはなさそうです。

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P5
 事業の進捗状況になります。
 平成9年に基本計画が出来たようです。平成21年度に整備計画ができ,測量と用地取得を開始。以降着々と進めているようです。

 断面図が記載されていますが,ほとんどが盛土になるようです。橋梁部は,潮来IC付近と川等を跨ぐ部分の少数です。JR鹿島線をまたぐ部分は,すごい高くなるようです。景色はよさそうな気はするが,工事費は。。。

20150301e.jpg

P7~
 事業の必要性になります。7ページから複数ページに分かれて掲載されています。
概要としては次の通り
・高速道路ネットワークの形成による交通の分散
・鹿島港(国際バルク戦略港湾)等へのアクセス向上
・茨城空港アクセスの向上
・災害時の代替道路
・観光アクセスの向上
以上が記載されています。よく見かける記載が多いです。

20150301f.jpg

P12
 残事業の概要になります。
 ここに現在の用地取得状況,工事進捗状況が記載されています。用地は面積ベースで1.6%取得済み(平成25年3月時点)。用地所得のペースは4年で1.6%!このペースでいくとあと60年近く掛かります。
 が,後述のNEXCO東日本の施工部の用地取得のペースを考えると割と早めに取得できるのではないかと思います。

20150301g.jpg

P13
 費用対効果になります。
 B/C比は1.6となっています。圏央道のつくば中央IC~五霞ICのB/C比は1.3だったので,こちらの方が費用対効果が大きいです。圏央道は橋梁・高架が多いからCが大きいのがネックなのかもしれない。
 供用開始を平成32年度としています。向こう6年間で建設を完了する予定のようです。

20150301h.jpg

P16
今後の対応方針となります。
(4)を見る限り,事業継続は妥当という判断がなされています。

 このほかに,議事録もHPに掲載されています。
内容としては次のとおりです。
・土工事,橋梁工事について(→盛土や橋脚の高さ等)
・空港利用の利便性向上について(→利用客数の向上値等)
・鹿島港のアクセスについて(→ICから臨海エリアへのアクセス道路について)
・事業継続について(→異議なし)

 最近の用地取得の状況が見えてこないので,何とも言えないところです。。
 後述の茨城空港北IC~鉾田IC間と同じくらい用地取得が早いといいのですが。


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 続いて,NEXCO東日本が施工する,茨城空港北IC~鉾田ICについて。途中のIC等は有りません。1区間になります。NEXCO東日本にも事業評価の制度があるようで,その中で茨城町JCT~鉾田IC間のものがありましたので見ていきます。
 開催日は平成26年12月16日になります。ページ番号は,スライドに記載されているページ番号を指します。
気になるところを抜粋しています。詳細は,公開されているPDFをご覧ください。
(公開されているPDFを抜粋して画像にて載せようと思っていましたが,資料の利用に関する規定がなく,
著作権に関わることから文章のみとさせていただきます。)


■事業評価監視委員会の開催
http://www.e-nexco.co.jp/company/info_public/
(NEXCO東日本ホームページ → 企業情報 → 平成26年度 から見ることができます。)

P3
 東関東自動車道の全景と概要が示されています。設計速度は100㎞/hで4車線を計画していますが,先行で暫定2車線で整備を行います。

P4~P9
 事業の必要性が記載されています。
概要は次のとおりです。
・東関東自動車道が全線開通すると,潮来から水戸(県庁)までが約40分短縮と試算
・常磐道とのダブルネットワークの形成
・茨城空港へのアクセス向上
・物量の効率化
・地域医療環境の改善
・災害時の代替道路
以上が記載されています。こちらもよく見かける記載が多いです。
物流でメロンを出してくるところはさすがです。

P10
 事業の進捗について記載されています。
 事業全体での進捗率は61%となっています。茨城町JCT~茨城空港北ICで50%なので茨城空港北IC~鉾田IC間は11%となっています。単体で見ると倍の22%になると思います。
 用地取得は平成24年12月から開始されているようです。土木工事は平成25年9月から開始され,着手率は100%となっていますが,この数値の意味は分かりません。

P11
 平成23年12月時点と平成26年12月の進捗率の比較が記載されています。用地取得に関して,平成24年12月から平成26年12月の2年間でなんと94%。すごい早いです。
 ここでも土木工事着手率100%と書かれていますが,未取得用地があるにも関わらず100%なのは謎です。施工中の写真が2枚掲載されています。

P12
 平成23年と平成26年における,進捗写真が3枚掲載されています。
 木が伐採されて,道の場所がわかるようになってきました。

P13
 平成23年3月11日の東日本大震災の影響で幅杭設計等が一時停止(7か月)で遅れが生じたようです。
茨城県・鉾田市・NEXCO東日本で構成される「事業推進プロジェクトチーム」を設置したと記載があります。
用地取得が進んだのはこのおかげかな??

気になる記載があります。
「一部地権者において時間を要する見込みもあるため,任意による交渉と並行して土地収用法に基づく事業認定申請の手続きの準備に入ったところ。」
残り6%の交渉が難航していると伺えます。可能な限り任意であってほしいところですが。。

P16
 投資効果が記載されています。
 事業全体のB/C比は2.6。鉾田IC~潮来ICに比べるとだいぶ高いです。このような差が出ているのはCの額が小さいからなのか,計算方法が異なるのか不明です。

P19
今後の対応方針が記載されています。
・経済の発展.地域医療に不可欠,災害時におけるリダンダンシー機能を有している。
・平成27年度内の開通に向けて事業を推進する。
・当該事業は「事業継続とする」。

 思っていたよりも,用地取得が早く,茨城空港北IC~鉾田IC間の開通までそんなに時間がかからないのかもしれないと思いました。一部用地取得が難航しているようなので平成27年度の開通は難しいと思います。



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NECXO東日本発注工事について
現時点で東関東自動車道の工事は2件出されています。

■東関東自動車道紅葉工事
工事内容は,土工及び函渠工等の施工を行う土木工事。
茨城県鉾田市下冨田~茨城県東茨城郡茨城町鳥羽田
工事延長L=4,400m
盛土量A=550,000m3
跨高速道路橋 1 箇所
横断構造物 C-Box 12 箇所
C-P 5 箇所
工期750日

契約は平成26年3月7日
工期は平成28年3月3日まで。
工事名に「紅葉(もみじ)」が入っております。
「鉾田市紅葉」からきていると思われます。

茨城空港北ICから鉾田市下冨田地内までの工事です。
工事延長が4.4㎞なので総延長の45%です。
工事看板を見る限り,工期の遅れは無いようです。
(次回現地の様子をアップします。)



■東関東自動車道 鳥栖工事
工事内容は,鉾田IC~茨城空港北IC間の土工工事。
平成25年11月15日公告の工事。1回目の入札は不成立。
平成26年5月20日に再公告し,入札が成立しています。。。。
が,公告に記載されている工事内容に大きな差があります。

1回目の工事内容
茨城県鉾田市秋山~茨城県鉾田市下富田,茨城県東茨城郡茨城町鳥羽田地内の2箇所
工事延長L=5,300m
盛土量A=800,000m3
跨高速道路橋 7箇所
C-BOX 9箇所(横断構造物)
工期690日

2回目の工事内容
茨城県鉾田市地内
盛土量A=650,000m3
C-Box 9 箇所
跨高速道路橋下部工 4 橋
工期660日

2回目の入札で契約締結。契約は平成26年10月9日。
工期は平成28年8月4日まで。

大きな差は,工事範囲の変更,
盛土量150,000m3及び跨高速道路橋7箇所の減。跨高速道路橋下部工 4 橋の追加になります。
工事延長1mあたり盛土量が150m3となるので,およそ1㎞分の工事が減変更されたと予想します。
(盛土量800,000m3/工事延長5,300m≒1mあたり150m3)
また,橋梁工事が全てなくなり,下部工事に変更されています。7橋から4橋に変更されているのも気になるところ。

減分になった部分の工事を別途工事で出すのか,いつ出てくるのかは今のところ情報が無いので不明。
用地未取得部の影響なのかもしれない。。。


NEXCO東日本の資料の中では,平成27年度内の開通を目指すと記載がありましたが
鳥栖工事の工期末が平成28年8月となっている時点で,平成27年度内の開通は無理と思います。
今のところ,舗装工事,設備工事等の情報は有りません。
鉾田ICまでの開通は,平成28年秋ごろになるかともいます。

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